映画「海獣の子供」
米津玄師の新作「海の幽霊」のミュージックビデオを見て、その美しいアニメーションに惹かれて映画「海獣の子供」をみてきました。
正直事前情報は上の動画のみなので、ファンタジックな海辺の少年少女の物語なのかなーと勝手に想像していました。
以下感想ですが、ネタバレを含んでいます。
いざ見てみると期待した通りにとにかく映像美が凄い。
圧倒的な美しさで海や海の生き物が描かれて、大画面で見ることによって体全身が「美に圧倒される」というとにかくすごいものを見た!という感覚を得られました。
その一方でストーリーに関しては合う人にはきっと物凄い感動が襲うんだろうなーといった感じでした。私は後半あまりにスピリチュアル感を強く感じてしまって作品世界に浸ることはできませんでした。
具体的に言うと隕石は精子で、と空が発言して、その後隕石が次々と惑星に吸い込まれるように衝突するシーンと共に受精卵がオーバーラップするように現れて胚分割?を行いさらに原核生物だのDNDの二重螺旋だのとにかく「生命の根源」を連想されるようなものがこれでもか、と画面いっぱいに流麗なアニメーションで描かれていくあたりから感動というよりもなんだか夢の世界から目が覚めてしまった気分に。
なんで空君そんな知識あるの?フィリピン沖で救助されてから勉強したの?とかどうでもいいことが浮かびました。まあそもそもみんな何語で会話してるの?といった疑問をはじめ細かいことを突っ込み始めたらどんな作品も楽しめませんが。でもディテールがしっかりした作品だからそのギャップが気になりました。
生命誕生の一大叙事詩を表したいのかなとは思いましたが、時折神の視点のように加えられるナレーションのたびにスピリチュアル感が強まり、わたし宗教団体が制作した作品見に来たっけ?という気分になってしまいました。
まとめると私の感性では受け止めきれない大きな世界が描かれていて、映像がとても素晴らしかったです。
今回見に行くきっかけとなった米津さんの歌はエンディングで使用されていました。映画「君の名は」のRADWIMPSの曲のように劇中で使用されていると思っていたのでそこは予想が外れました。
人にすすめるかと言われると、見て損はないけど、でも、とためらってしまう映画でした。