十和田神社(青森県十和田市)
十和田神社
十和田神社は十和田湖に突き出すかたちの中山半島の付け根にあります。
神社の由来については坂上田村麻呂と南蔵坊(南祖坊)のふたつの説があります。
『新撰陸奥国誌』(明治9年)は坂上田村麻呂の創建伝説をのせています。
大同2(807)年田村麻呂が遠征の時、湖が荒れて渡れなかったので祠を建立し戦勝祈願し筏を組んで渡りました。その祠が起源だとするもの。
『御領分社堂』(宝暦頃)は、南蔵坊にまつわる創建伝説をあげています。
沼(十和田湖)に八郎太郎という大竜が住んでいましたが、南蔵坊はこの竜を追い出し、沼の主となり青龍大権現と崇められた、というものです。
また菅江真澄の遊覧記「十曲湖(とわだのうみ)」でも鹿角地方に伝わるという南蔵坊にまつわる創建伝説を記しています。こちらでも八郎太郎と戦った南蔵坊が青龍大権現となります。
中世以降は修験道の神社として知られ、江戸時代には十和田信仰(水神信仰)の中心地として竜神を祀り、「十和田山青龍大権現」と称しました。また「十和田熊野大権現神社」とも呼ばれました。
鳥居

鳥居

手水舎


龍の吐水口
手水には花が浮かべてあって綺麗でした。
鳥居

拝殿

1941年建立。ヒバの白木造り。
かつては拝殿の左側に熊野三社権現神の社殿があったそうです。
熊野権現の祠

拝殿の右側に熊野権現の祠があります。
参考
谷川健一 編. 日本の神々 : 神社と聖地 第12巻. 新装復刊, 白水社, 2000.7. 4-560-02512-6.