地方巡回展「日本の領土・主権を考える」
国土地理院「地図と測量の科学館」で領土・主権展示館の『日本の「領土・主権」を考える』地方巡回展が行われていたので行ってきました。
展示は領土・主権展示館による「北方領土・竹島・尖閣諸島パネル展」と地図と測量の科学館による「地図と測量による領土の明示パネル展」の2つから構成されていました。

開催日程 | 2023年10月24日(火)〜12月17日(日) |
開館時間 | 9:30~16:30(月曜休館)入館は16時まで |
場所 | 国土地理院 地図と測量の科学館 2階「特別展示室」 |
北方領土・竹島・尖閣諸島
北方領土コーナーでは領土確定の経緯、第二次大戦前に北方領土で生活していた約17,000人の暮らしの紹介、領土問題の発生から日ソ共同宣言以降の交渉の経過などのほか、北海道にある北方領土関連資料館の紹介などがありました。
竹島コーナーでは江戸時代の竹島について、明治時代島根県に編入された経緯、戦後のサンフランシスコ平和条約で日本の領土として確定したこと、韓国に不法占拠され国際司法裁判所への付託を求めたという展示内容でした。
尖閣諸島コーナーでは無人島だった尖閣諸島が明治時代に沖縄に編入される経緯、東シナ海に石油埋蔵の可能性が指摘された昭和44年に中国と台湾が尖閣諸島の領有権を主張し始めたことなどが展示してありました。
トピックスコーナーでは日本の対応がまとめてありました。
北方領土→領土問題が存在→平和条約締結する方針を堅持
竹島→領土問題が存在→国際法にのっとった解決を追求・抗議を継続
尖閣諸島→領土問題は存在しない→中国に国際社会の法と秩序を尊重した対応を求める・国際社会の理解を得る
そして最後に考えてみよう、というところで
「この巡回展では、北方領土、竹島、尖閣諸島に関する日本の意見を中心に説明してきました。いずれも、他の国、地域では日本と異なる主張をしています。(中略)ぜひ、みなさんが裁判官になったつもりで、どちらの主張が正しいか考えてみてください。そして、単にどちらが正しいかどうかではなく、意見の違いをどのように克服したらいいかも考えてみましょう」
として国際裁判によって領土紛争を解決した例と、証拠資料を見るための3つのポイントを上げていました。
ポイント1:資料が示す内容の有効性
ポイント2:資料の信頼性
ポイント3:資料の解釈の正確性
地図と測量による領土の明示
こちらでは国土を測る、描く、守る、伝えるとして国土地理院の様々な業務が紹介されていました。
パネルの他にも北方領土での生活写真や各島に関する資料、手にとって見れる地図などもありました。
印象的だったのは樺太日露国境第2天測境界標の実物大レプリカ。
ポーツマス条約によって樺太北緯50度を日本とロシアの国境とする決定をした時に4個の国境標石が作られました。日本が国境標石を設置したのは歴史上この時だけだそうで、この2号が最初にポロナイ川上流に設置されました。
日本側には菊の紋が、ロシア側には双頭の鷲が彫られていました。実物は北海道根室市の歴史と自然の資料館にあるそうです。
雑記
北方領土、竹島、尖閣諸島。ニュースでたまに耳にしますが問題の内容についてはふんわりとしか理解していなかったと思います。今回改めてそれぞれの現在までの経緯、日本国の主張について知ることができてよかったと思いました。