戸定邸(千葉県松戸市)
戸定邸(国指定重要文化財)
戸定邸(とじょうてい)は江戸幕府最後の将軍徳川慶喜の弟・昭武が明治以降住まいにした邸です。
水戸藩最後の藩主だった昭武は、13歳にして将軍名代としてパリ万博に参加、ヨーロッパを巡りフランスで留学生活を送り、帰国翌年に戸定邸の造作をはじめ、明治16年(1883)には29歳にして隠居し、墨田河畔にあった本邸からこの戸定邸に移り住みました。
昭和26年(1951)に昭武2男の武定が松戸市に邸と庭園を寄贈しました。
昭和61年(1986)に千葉県の名勝に指定され、戸定歴史館や梅園などを整備し平成3年(1991)に戸定が丘歴史公園として開園しました。
建物は平成18年(2006)に「旧徳川家松戸戸定邸」として国の重要文化財に指定。
庭園を含む敷地全体は平成27年(2015)に「旧徳川昭武庭園(戸定邸庭園)」として国の名勝に指定されました。
建物は23部屋もあり、明治時代の徳川家の住まいの様子がほぼ完全に残っている日本で唯一の建物だそうです。

表座敷棟

ところどころに徳川家の家紋である葵をあしらった飾りがありました。欄間には葵の葉を2枚組み合わせたデザインが彫られ、長押(なげし)の釘隠しには葵の葉を4枚組み合わせたデザインが使われていました。


奥座敷棟の丸窓

昭武の妻八重の部屋の丸窓。1991年に復元されたもの。
内蔵棟

厚さ20cm以上の人造石の扉。2階建てで中には階段や三つ葉葵の紋がついた長持などがありました。
庭園

芝生を使った庭は明治時代には珍しく、昭武がこだわり抜いた洋風の庭園です。この芝生の庭でかつて徳川慶喜や昭武の子どもたちが遊んでいたそうです。よく晴れた日には富士山もみえるそうですが、残念ながら今日は曇天のため見えませんでした。
毎月10日・20日・30日は「戸定の日」として実際に庭を散策できるそうです。
開館時間 | 9時30分から16時30分(閉館17時) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合にはその翌日)、年末年始 |
入館料 | 戸定邸のみ 一般250円、高校生・大学生100円、中学生以下無料 戸定邸・戸定歴史館共通 一般320円、高校生・大学生160円、中学生以下無料 |