柳田国男記念公苑&資料館

茨城県北相馬郡利根町にある柳田国男記念公苑に行ってきました。

日本民俗学の父ともいわれる柳田国男は、13歳の時から約3年間をこの利根町で過ごしました。
この地で過ごした様々な出会いから民俗学の道へ行ったともいわれ、柳田国男第2の故郷として知られているそうです。

そこで利根町はそのことを記念して柳田が少年時代を過ごした旧小川邸を整備して、この公苑を建てたそうです。
整備には竹下登のふるさと創生事業によって各地方自治体に配られた1億円が充てられました。

旧小川家の母屋は宿泊施設や会議室、イベントなどにも使用されているそうです。

今回は偶々何もイベントがなかったそうで母屋の中も見学させてもらえました。
玄関を開けるとすぐに柳田国男の写真があります。

お庭もよく手入れされていてとても綺麗でした。

そして少年の日、柳田が神秘体験をしたという祠。

この中に祀ってあった玉は、現在は利根町歴史資料館にあるそうで、レプリカがすぐ隣の土蔵の中に展示してありました。

管理人さんの話によると以前こちらでBS-TBSのドラマの撮影が行われたそうです。
検索してみたけどそれらしいドラマがよくわかりませんでした。
ひょっとして歴史系情報番組内の再現ドラマだったのかもしれません。

祠のすぐ隣にある土蔵は、現在は資料館として使用されています。

中には柳田国男に関する著作物や手紙をはじめ様々なものが展示してありました。

柳田が影響を受けたという徳満寺の「間引き絵馬」の写真もありました。
生まれたばかりの赤子を母親が抑えつけるショッキングな絵です。

柳田国男の「故郷七十年」には次のように書いてあります。

「約二年間を過した利根川べりの生活を想起する時、私の印象に強く残っているのは、あの河畔に地蔵堂があり、誰が奉納したものか堂の正面右手に一枚の彩色された絵馬が掛けてあったことである。その図柄が、産褥の女が鉢巻を締めて生まれたばかりの嬰児を抑えつけているという悲惨なものであった。障子にその女の影絵が映り、それに角が生えている。その傍らに地蔵様が立って泣いているというその意味を、私は子ども心に理解し、寒いような心になったことを今も憶えている」

写真ではお地蔵さまは足しか見えず、表情までは見えませんでしたが少年時代の柳田国男に与えた衝撃を感じることは十分できました。

 

博物館,明治時代,資料館

Posted by sata04