國學院大学博物館 企画展「中世日本の神々―物語・姿・秘説―」

| 会期 | 令和7年10月4日(土)~11月30日(日) |
| 開館時間 | 10時~18時(最終入館17時30分) |
| 休館日 | 毎週月曜日(祝日は開館) |
| 入館料 | 無料 |
展示構成は全4章
第1章 物語
中世、「日本書紀」をもとに神々や神道をめぐる物語が新たに創出されました。これらの物語には、仏教の概念なども多用され、物語として楽しまれたものもあります。一方、「縁起」と呼ばれる神社に祀られる神の由来や霊験を記した物語も数多く作られました。第1章ではそうした物語の展示が中心です。
第2章 姿
平安時代以降、人々は神の姿を現した彫像(神像)を作るようになっていきました。第2章では神像として彫刻で作られた彫像、絵画に描かれた図像を中心に展示紹介しています。

第3章 秘説
神々と仏教との関係が強まっていくと、仏教の言葉を用いて神々や神社について説明するようになりました。この思想は真言宗や天台宗などの特定のグループの中だけで受け継がれました。第3章ではこれらの思想を秘説として著した書物などの展示が中心です。
第4章 御正体
平安時代には「御正体」と呼ばれる礼拝具が、本地垂迹説などを背景に作られるようになりました。神の象徴とみなされてきた鏡に本来の姿である仏が現れた様子や、垂迹形としての人物像を示したものです。第4章ではそれら鏡像や、立体的な像を取り付けた懸仏を中心に展示しています。
感想
こんなに一度にたくさんの神々を見ることなどめったにないのでとても興味深い展示でした。
その姿だけでも人間(貴族風、唐風、僧形、男型、女形、童子、異形)、大日如来、諸天、動物とたくさんのバリエーションがありました。
いろいろ印象的でしたが神道集(河野本)「二所権現事(にしょごんげんのこと)」という継母からいじめを受けていた姫がその継母の娘でもある妹から助けを受けそれぞれ王子と結ばれ、やがて神として顕れるというストーリーはまるで少女小説のようで、シスターフッドな物語が大好きなのでぜひ読んでみたくなりました。
そしてもう一つ「三十番神図」という1か月間、毎日交代で法華経あるいは国家を守護するという神々を描いた図が印象に残りました。その日の当番の神様がいるというのは新鮮な驚きでした。
それと常設の考古展示室内に少し異質な「パレスチナーその文化と文学ー」という小規模展示があり、切迫した人権問題を社会に周知するという大学博物館としての使命感を感じました。こちらの展示は当初は令和7年の7月13日までの予定だったそうですが現在は閉幕日未定だそうです。







