野村萬斎狂言の夕べ 松戸公演

演目
墨塗
- 大名 石田幸雄 代役 野村萬斎
- 太郎冠者 内藤連
- 女 中村修一
- 後見 飯田豪
柑子
- 太郎冠者 野村萬斎
- 主 高野和憲
- 後見 石田淡朗
二人袴
- 聟 野村裕基
- 舅 深田博治
- 太郎冠者 月崎晴夫
- 兄 野村太一郎
- 後見 内藤連
解説 飯田豪
感想
狂言を見に行くのは初めてでした。
野村萬斎さんが出るなら見てみたいな、というミーハーな気持ちで行ってみましたが、とても楽しい時間を過ごせました。
狂言の知識はまったくないので、正直寝てしまったりよくわからないで終わっちゃうのかも、と行く前は少々不安でしたが杞憂でした。
舞台上での事前解説、そして簡単なあらすじと語句解説のリーフレットが配られていたので観客は直前予習でき、知識ゼロでもその場で補完されてより楽しめる仕様になっていました。
解説の方が「狂言初めての人?」と聞いたら7〜8割が初めてだったので玄人の中に紛れ込んだ訳では無いと安心しました。狂言の鑑賞のお作法も何も知らないので7・8割が知らない仲間だというのは心強かったです。
狂言は喜劇だとは聞いていましたが、実際に観客からたくさん笑い声が沸き上がり、私も古めかしい言葉遣いにもかかわらず何度も笑ってしまって狂言って本当に面白いんだと驚きました。
印象的だったのは声がものすごく通ること、そしてドンと鳴らした時の足音の大きさ、小道具も意外と使うこと。
愉快な掛け合いだけではなく踊りまで劇中で行われたりと退屈に思う瞬間がなく、昔の人も現代人と同じような笑いのツボを持っていたんだと感じました。
特に登場人物たちがお互いの顔を伺い合う「間」、その瞬間のおかしさは現代のお笑いと同じだと驚きました。現代向けにアレンジされているわけではないんですよね? いやされているのかな? と思うほど面白かったです。
それと今回は最初の演目「墨塗」で大名役の方が体調不良とのことで野村萬斎さんが代役をされました。初めての鑑賞なのでよくあることなのかイレギュラーなことかすらわからず、2演目続けての出演凄いな〜とただ驚きました。舞台のように代役専門の人がいるわけではないんですね。
そう、舞台のようにといえばあまりにも商売っ気がないのにも驚きました。演劇やコンサートだと公演のパンフレットやグッズ、CDなど売っていたと思うのですが、潔いほど物販はなにもありませんでした。
想像していたよりずっと楽しかったので、他の演目も見てみたいなと思いました。