長禅寺(茨城県取手市)
取手駅東口から700mほどの高台にある長禅寺は、承平元(931)年平将門が勅願所として創建したと伝えられています。新四国相馬霊場の発願寺として一番・五番・八十八番の札所があります。

山門

取手八景のひとつ「長禅寺の晩鐘」と呼ばれる梵鐘が上階に吊るされています。
19世紀初期の建築と推定されています。
北相馬郡志によると取手八景は
●栗山台の秋の月●長禅寺の晩鐘●上沼の落雁●念仏院の暮雪
●観音堂の夜雨●利根の帰帆●君初橋の晴嵐●根柄の白雨
だそうです。
大師堂

幾百とせの松よせし高台に、尊き大師の安置せらるる寺院にて、仏地かしこきいとど眺めのよき寺庭なり
「相馬霊場案内」 吉原格斉 大正4年
光音堂

光音堂は、新四国相馬霊場を開基した観覚光音禅師を祀るものです。
新四国相馬霊場は取手市内に五十七か所、我孫子市内に二十八か所(内番外一か所)、柏市内に四か所あります。自ら四国八十八か所を巡拝した観覚光音禅師は各霊場の砂を持ちかえり、相馬霊場を開いたそうです。
三世堂

宝暦13(1763)年建立。平成16年1月8日に茨城県有形文化財に指定。
外観は2層ですが、内部は3層で上り専用の階段と下り専用の階段があり、順路にそって進めば堂内では参拝する人と参拝を終えた人が交差せずに一巡できる「さざえ堂」様式になっているそうです。
この「さざえ堂」様式のお堂は現在全国で五棟しか残っていないそうです。
一層に安置された十一面観音菩薩像は、縁起によると平将門の守り本尊だったそうです。ほかにも一層には坂東三十三か所、2層には秩父三十四か所、3層には西国三十三か所の各観音霊場札所の本尊の写し、合計百一体の観音像が安置されているそうです。
普段は内部に入れませんが、毎年4月18日の「百観音祭り」では内部が特別公開されているそうです。







