国立歴史民俗博物館 特別展示「年号と朝廷」
千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館に行ってきました。
お目当ては総合展示の第3展示室の特別展示「年号と朝廷」でした。
入口には明治大学、大正大学、慶應義塾大学のポスターも展示してありました。
明治、大正はともかく慶應も元号とは知りませんでした。
明治、大正は「周易(易経)」慶應は「文選」からの出典だそうです。
展示は全部で四つに分けてありました。
第一章 時に名前をつける
第二章 年号を決める人々
第三章 年号の決め方
第四章 年号と漢籍
第一章では、「改元」とはそもそも「時に名前をつける」という行為であることを説明。
出来るだけ縁起が良く、しかるべき漢籍に出典を持つことが求められたそう。
第二章では、どういった人々が年号を決めるのか。
まず漢文の素養がある、代々儒学・有職故実を家職としていた人が「年号勘文」を提出。
「年号勘文」は漢籍に由来する年号案。
それをもとに関白以下の公卿がしぼり、最終的に天皇に上申。
基本的にはそのまま採用されたそうです。
第三章ではどういったときに改元が行われるのか、年号決定までの詳しいプロセスなど。
基本的に改元の理由は祥瑞、災異、即位、代始、干支が辛酉と甲子に当たる年などだそうです。
年号勘文を提出した広橋経光直筆の「経光卿改元定記」が展示してありました。
第四章では年号勘文に引文された漢籍が展示されていました。
「古文尚書」「史記」「漢書」など。
それとどの漢籍から多く引文されたかのランキングなどもありました。
印象的だったのは、入室するなりずっと聞こえていた男性の音声。
最初なんなのか不思議に思いましたが、広橋経光が年号勘文を勘申(上申)するときの読み上げの再現だと最後にわかりました。
見ごたえのある楽しい展示でした。
ところで国立歴史民俗博物館は初めて来たのですが、展示ボリュームが凄く全部しっかりと見るには時間が足ませんでした。
急ぎ足で見たなかでも印象的だったのが「民俗」がテーマの第4展示室。
入るなり三越のおせちがずらーっと並んでいてびっくしりました。「三越の予約会」の看板?まであったので、展示ではなく本当に予約受付しているのかと思いました。猿と鮭で作った人魚も、まさかここで見れるとは思っていなかったので驚きました。
第1展示室「古代」はリニューアル工事中だったので、工事が終わったら余裕をもって見に行きたいです。