ぼら待ちやぐら(石川県穴水町)
日本最古の漁法

日本最古の漁法ぼら待ちやぐら
看板より
ぼら待ち網漁は、江戸時代から伝わる原始的な漁法で、七、八メートルの丸太ヤグラを組み、その上から海底に張ったフクロ網を見張る、ボラの群れが網に入ると網口の網をたぐり上げて獲るというのんびりした手法です。
ボラは音に敏感で、静かに待たなければならず、光の反射する海面を通して魚影をみつけなければなりません。
藩政時代から続いた穴水湾の伝統漁法で、明治二十二年(1889)に当町を訪れた米国人天文学者のパーシヴァル・ローエル(1855~1916)が「創世記に出てくるノアの大洪水以前に掘っ立て小屋の骨組みを、これも有史以前の伝説による怪鳥ロックが巣に選んだ場所」と形容しています。

最盛期には、穴水町内に40基を超えるやぐらが立てられていたそうです。
平成8年(1996)秋を最後に、この漁法を行う漁師はいなくなりましたが、平成24年(2012)の秋に漁が再開されました。
よく見るとやぐらには人形が置かれており、あんなふうにボラを待ち構えていたようです。