光得寺(栃木県足利市)
光得寺 樺崎寺ゆかりの五輪塔がある
足利義氏が開基と伝わるお寺です。
樺崎寺が明治の神仏分離令で廃寺となった時に、運慶作とされる大日如来坐像(国重要文化財)や五輪塔が移されたことでも知られています。
現在大日如来坐像は東京国立博物館に寄託されているようです。
2017年の東京国立博物館の「運慶展」ではこの光得寺の大日如来坐像が展示され、また現在でも東京国立博物館で不定期に拝見することができるようです。
大日如来坐像の写真は足利市ホームページでも見れます→こちら



光得寺五輪塔

足利氏の菩提寺であった樺崎寺が廃寺になった時に、境内にあった五輪塔が光得寺に移されました。
平成16年に保存修理が行われ、現在は光得寺西側の覆い屋の中に保存されています。

五輪塔は全部で19基、現在後列に保存されている大型の五輪塔は凝灰岩製で、足利氏歴代当主の供養塔だと考えられています。
中型のものが安山岩製で、家臣の供養塔だとされています。
地輪の銘文が判読できるものがいくつかあります。

「浄明寺殿」(足利貞氏の法名)
「前武州太守道常大禅定門 観応二辛卯年二月廿六日」(道常大禅定門は高師直の法名)

「長〇寺殿」(〇の中が壽なら尊氏の法名)

「月海圓公大禅定門 安四辛亥年三月廿六日」(月海圓公は南宗継の法名)
これだけの数の五輪塔がずらっと並んでいる様は圧巻でした。
また中型の五輪塔で名前が判明しているのが高師直と南宗継ということから、ほかの中型五輪塔も高氏、南氏の供養塔の可能性がありそうです。判別できなくなっているのが残念ですね。