大新田氏展(群馬県立歴史博物館)
群馬県立歴史博物館で行われていた大新田氏展に行ってきました。
開催期間は2019年4月27日(土)~6月16日(日)

大新田氏展
展示は三部構成
一 義貞の勇姿
二 新田氏から岩松氏へ
三 新田氏の故郷
一 義貞の勇姿では、新田義貞を描いた肖像や木像など、それから兜や刀、轡など、義貞本人を表したりその周りの品の展示がメインでした。
また足利尊氏像も展示されていましたが、解説文に「特徴的なたれ目」とあり、やっぱり尊氏といえばたれ目なんだなーと納得してしまいました。義貞の容姿を表す同時代資料は存在しないそうですが、展示されていた義貞の肖像画・木像ともに、どれも切れ長な目の印象を持ちました。
二 新田氏から岩松氏へ、は文書が中心に展示されていました。タイトル通り義貞の死後、新田本宗家の立場を岩松氏が継承してく様子を紹介。
新田氏の軍旗や家系図・仏像など展示されていましたが印象的だったのは後醍醐天皇の綸旨。綸旨に使用された紙は宿紙(しゅくし)といって、文字が書かれた紙を漉きなおして作ったいわばリサイクル紙。他に綸旨紙ともいわれるそう。この宿紙、偉い人専用だそうですが、リサイクル紙なだけあって灰色で驚きました。
三 新田氏の故郷、は世良田・安養寺・別所・岩松といった新田荘とよばれる地域に関する文書や出土遺物、板碑、寺院の肖像彫刻などが展示されていました。
印象的だったのは円仏と妙蓮という夫婦が作ったらしい二つのほぼおそろいの板碑。極楽往生を願って作ったものらしいですが、死後も一緒にいたいという願いはなんだかほのぼのとした気持ちになりました。
群馬県立歴史博物館に来たのは初めてだったのですが、『Q&A』というカラフルな解説用紙が置いてあってとても好印象でした。「板碑って何?」「古文書どこみる?-綸旨-」「善光寺式阿弥陀三尊像って何だろう?」などといった内容を可愛らしいイラストとわかりやすい文で説明してありました。
特別展のたびにこんな素敵な解説があるのかはわかりませんが、この博物館の学芸員さんに感謝を伝えたいです。ぜひ続けて欲しいです。
常設展
せっかくなので常設展も見ることに。
常設展の通史コーナーでは中世史コーナーを中心に見ました。動画で義貞の挙兵から上杉憲顕まで学べるので初心者にもおすすめです。
テーマ展示コーナーでは
『ポスターと図録でたどる企画展40年の軌跡』
開催期間2019年4月20日(土)~6月23日(日)も行われていたので見たのですが、1991年に第40回企画展「南北朝動乱と新田一族」展をやっていたことを知りました。当時の図録も置いてあったのでめくらせてもらいましたが、峯岸純夫先生が寄稿されていました。

こちらはNHK大河ドラマ「太平記」で新田義貞役の根津甚八さんが着用された赤糸威大鎧。
制作は太田市で、現在新田荘歴史資料館が所蔵しているようです。
アンケート記入コーナーの隣に展示してあり、写真撮影はOKでした。